1.雷の話

【冬の雷】

 
冬の雷のことを北陸地方では「雪起こしの雷」とか「雪下ろしの雷」と呼び、雪が降る前の前兆もしくは雪が激しく降るときの合図としています。この冬の雷は日本海を通過する寒気に伴う擾乱(大気の乱れ)により発生するものであり、雪の少ない太平洋側ではみられない現象です。

 太平洋側の雷は大半が夏の雷雲の発生(熱雷)によるものであり、北陸地方の雷の大部分は冬の雷です。この冬の雷の動向について調査したところ、上越地方では二つの大まかな経路をみつけることが出来ました。

 一つは能生谷を吹き上げて火打山に至る経路、もう一つが名立郷を吹き上げて大毛無山に至る経路です。このように雷の通り道が明らかになった背景には、当社が開発し新井リゾート株式会社に設置したサンダーネットワークシステムがあります。

 雷の恐ろしさは誰でもが体験しています。雪国以外に住む人達にとって、雷は夏に起こるものと思いがちですが、これは当然といえます。毎日晴天続きの太平洋では、雷を発生させる雲がないのですから致し方有りません。これとは逆に、当地方は毎日が曇りか雪の日で、めったに晴天の日などありません(最近は大陸の高気圧が移動性となて当地方を通過する日が多くなってきた)。

 雷の発生は、寒候期間が圧倒的に多いのです。とくに11月の初冬の頃に多く発生します。これは、天気が秋の長雨から次第に冬の季節に変わってくる頃に大陸の寒気の南下があり、上空に冷たい寒気が入り込むことによるものです。

 雷が鳴り出すと、雪の前兆として俗に「雪起こし」と呼ばれます。雷は大気が不安定になると発生しますから、上昇気流により対流圏で上空の寒気により積乱雲(入道雲)ができ、それが発達してくると雷鳴(ゴロ)や電光(ビカ)が起こります。

 夏の雷は、日中の太陽の日射にともなって強い上昇気流が発生し、対流雲の発達により発雷します。冬の雷の発生時刻が定まっていないのに対し、夕方に発生することが多いようです(夜に発生する場合は、夕方からの延長によるものが多い)。
 

【雷の経路】


冬の雷は、名立、大潟、柿崎などの海岸地方に発生して山側に向かうものが多く、南葉山・妙高山方面へのもの、また東頸城地方、高田・新井方面から進み山沿い地帯に停滞するものと、進入経路は様々です。

【一発雷】

 
冬の雷には特異なものがあります。突然、電光が走り大きな雷鳴が轟き、それも「一発」で終わるのです。気象の専門家はこれを「一発雷」と呼びます。果たして、何の前触れもなく雷が鳴り出すことがあるのでしょうか。当社では、ある企業の依頼により3年間の雷調査を実施したことがあります。その調査結果では、「一発雷」も発生前には空間の電界変動が確認されています。

雷のあるとき、また雷が鳴っていないときでも「ラジオ」などにガリガリと雑音が入り聞きづらいときがあります。雷は電気ですから当然無線電波に影響を与えるのです。このように、雷雲から放電される電気を特別な測定器に受信し強度をみると、必ず「一発雷」の前にはこのような状態が現れます。わずかな弱い電界変動が、突然4倍以上の強さになります(当社の測定器によると1ボルトの電圧が突然4ボルト以上ともなる)。その時に発雷するのみで、また前の状態になり「一発雷」は消えてしまうのです。
 

【雪と雷】


雪が降っていなくとも全天に雲が広がり日中でも暗い感じのとき、また細かい雪あられが強く降っているときは、相当強い雷雲が発生します。「雪起こし」の呼称が示すように、逆に雷が発生したら雪が降り出すことも念頭に置くと良いでしょう。雷や雪の発生は防ぐことが出来ません。しかし日ごろから雷の知識を身につけておけば災害防止に役立ちます。

【雷雲】


 冬の雷は比較的に積乱雲の雲頂高度(雲の頂上)が低く、夏の雷が高度10kmほどに達するのに対し冬は5~6km程度です。また夏は垂直に上に伸びていますが、冬は季節風に流され雲頂が山側に流れているものが多くあります。

【雷の強度】


雷の強度を比較すると、冬には下表の「1」に当たる雷が多く発生します。「一発雷」は、ほとんどが「1」に該当します。
 

強度

現象 雷鳴があるのを知る程度で遠雷のような程度、電光は、ようやく認められる程度で、夜は楽に正視できる程度。 0と1の中間 雷鳴は激しく耳をろうし戸障子が激しくなり人を驚かす。電光は昼は周囲に明るさを感じる程度で、夜は光輝が激しく全身に光を浴びる感じ。

(気象庁観測法より)      


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